海水アクアリウム・サンゴ骨格化学
海水水槽のKH(炭酸塩硬度)低下とサンゴ白化・成長停止を防ぐバッファー剤添加量計算|カルシウムリアクター不要の滴定管理ガイド
🕒 読了目安: 7分
📅 更新日: 2026-09-28
✍️ 監修: 株式会社ゼノベイト実務検証班
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1. なぜサンゴ水槽のKHは毎日激しく減少するのか?
ミドリイシなどのハードコーラルは、海水中のカルシウムイオン(Ca2+)と重炭酸イオン(HCO3-)を取り込み、体内で炭酸カルシウム(アラゴナイト骨格)を合成して成長します。
サンゴが健康に成長している水槽ほど、炭酸塩硬度(KH / アルカリニティ)は驚異的なスピードで消費され、換水だけでは追いつかずに1日あたり0.5〜1.5 dKHも急降下します。
⚠️ KHショックによるサンゴの崩壊(RTN/STN)
サンゴはKHの「絶対値」よりも「急激な変動」に極めて弱く、1日に1.0 dKH以上の急激な上下動が起きると、組織が剥離してわずか数時間で真っ白な骨になって壊死(急速組織壊死症: RTN)を起こします。
2. 1日の消費量を割り出す「48時間無添加テスト」
まずは自分の水槽のサンゴが1日にどれくらいKHを消費しているかを計測します。
- 1日目の夜、照明消灯後にKHを精密テストキットで測定(例: 8.0 dKH)。
- 添加剤の投入を一切ストップし、48時間後の同じ時刻に再び測定(例: 6.8 dKH)。
- 48時間で1.2 dKH減少 ➔ 「1日の消費量は 0.6 dKH」と正確に割り出せます。
3. バッファー剤の安全な添加:点滴(ドージング)の重要性
減少分を補う際、計量したバッファー剤を一度にドバッと水槽に流し込むと、添加場所の局所的pHが急上昇し、カルシウムが沈殿して白濁します。点滴チューブや自動ドージングポンプを用い、1日24回〜48回に分けて「数滴ずつマイクロ滴定」することが、ミドリイシのポリプをフサフサに咲かせる秘訣です。
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❓ よくある質問(Q&A)
Q1. 市販のバッファー剤の代わりに食用の重曹を使っても安全ですか?
A. 食品添加物グレードの純粋な炭酸水素ナトリウム(重曹)は、極めて安全かつ安価なKH上昇剤として世界中のアクアリストに常用されています。真水に溶かして希釈し、点滴添加することで100%安全に使用可能です。
Q2. KHを上げてもカルシウムやマグネシウムが下がってしまうのはなぜですか?
A. 水中のカルシウム、マグネシウム、KHは三位一体のバランス(イオンバランス)関係にあります。マグネシウム濃度が1300ppm以下に低下していると、カルシウムと炭酸イオンが結合して沈殿しやすくなり、KHが安定しません。必ず先にマグネシウム濃度を正常値に調整してください。
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執筆・監修:株式会社ゼノベイト (Zennobate Inc.)
京都を拠点にデジタルモノづくり・ITエンジニアリング・精密機器ケア・生活トラブル解決を展開。現場の第一線で培った実務ノウハウと検証データに基づき、実践的ガイドを発信しています。