植物工場・水耕栽培養液工学
室内水耕栽培の養液管理(EC値・pH調整)とチップバーン(葉先枯れ)防止策|ハイポニカ希釈倍率と植物育成LED照射距離完全ガイド
🕒 読了目安: 7分
📅 更新日: 2026-09-28
✍️ 監修: 株式会社ゼノベイト実務検証班
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1. 水耕栽培で最も多い「チップバーン(葉先枯れ)」の真犯人はカルシウム欠乏
室内でみずみずしいサニーレタスを育てていると、収穫直前になって新芽のフチが黒茶色にチリチリと枯れ落ちる「チップバーン」が発生します。病気やカビではなく、植物体内の「局所的カルシウム欠乏症」です。
⚠️ なぜ養液にカルシウムが入っているのに欠乏するのか?
カルシウムは植物体内を蒸散(葉からの水分蒸発)の気流に乗って移動します。完全室内の無風環境下では蒸散が起きず、新芽の先端までカルシウムが届きません。解決策は「小型USBファンで葉先をわずかに揺らす微風を24時間当て続けること」です。これだけでチップバーンは100%防止できます。
2. 養液のEC値(電気伝導度)とpHの黄金ゾーン
「肥料を濃くすれば早く大きく育つ」というのは大間違いです。養液濃度が高すぎると、根の水分が浸透圧で奪われて「肥料焼け(根腐れ)」を起こします。
- 育苗期(発芽〜本葉2枚): EC 0.6〜0.8 mS/cm(ハイポニカ1000倍希釈)
- 生育期(レタス・葉物野菜): EC 1.2〜1.6 mS/cm(ハイポニカ500倍希釈)
- 最適pH範囲: pH 5.5〜6.5(弱酸性)。pHが7.0を超えると鉄やマンガンが不溶化し、葉が白っぽく変色(クロロシス)します。
3. 徒長を防ぐ植物育成LEDライトの照射距離と日長管理
蛍光灯や一般的な室内シーリングライトでは光量(PPFD: 光量子束密度)が圧倒的に不足し、茎がヒョロヒョロと間延び(徒長)して倒れてしまいます。レタスには最低でも200〜250 μmol/m²/sの光量が必要です。フルスペクトル植物育成LEDを葉の頂点から「15cm〜20cm」の至近距離に設置し、スマートプラグ等で「1日14〜16時間」規則正しく照射してください。
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❓ よくある質問(Q&A)
Q1. 水道水にハイポネックス(園芸用青い粉)を溶かして水耕栽培に使えますか?
A. 土栽培用のハイポネックスは土中の微生物による分解を前提とした成分が含まれており、カルシウムが不足しているため水耕栽培単体では栄養バランスが崩れます。必ず水耕栽培専用の完全配合肥料(ハイポニカ等)を使用してください。
Q2. 水耕栽培の養液はどれくらいの頻度で全交換すべきですか?
A. 植物が水分を吸うと養液が減るため、普段は減った分だけ希釈液を注ぎ足しますが、2〜3週間に1回は水槽をまるごと洗い、養液を100%全交換してください。根から排出される有機老廃物やイオンバランスの偏りをリセットするためです。
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執筆・監修:株式会社ゼノベイト (Zennobate Inc.)
京都を拠点にデジタルモノづくり・ITエンジニアリング・精密機器ケア・生活トラブル解決を展開。現場の第一線で培った実務ノウハウと検証データに基づき、実践的ガイドを発信しています。