2024年に抜本拡充された新NISAの最大の武器は、1人あたり「生涯非課税限度額1,800万円(買付残高ベース)」という超大型の投資枠です。
独身であれば1,800万円が上限ですが、夫婦であれば2人合計で「最大3,600万円」まで恒久的に完全非課税で運用できます。毎月夫婦で合計10万円ずつ(各5万円)を想定利回り5%で30年間積み立てた場合、投資元本3,600万円に対し、運用収益は約4,700万円に達し、総資産は8,300万円超へと育ちます。通常であれば約950万円も差し引かれる税金(20.315%)が「1円も取られない」というのは、一般家庭が準富裕層・富裕層へ駆け上がるための最強のチートシートと言えます。
夫婦で新NISAを始める際、日本全国で最も多くの家庭が引っかかる致命的な法的トラップが「夫から妻への資金移動に伴う贈与税問題」です。
例えば、片働き世帯で夫の収入から「妻の新NISA口座も早く埋めたいから、夫の口座から妻の口座へ毎年200万円振り込んで投資に回した」とします。これは税法上、年間110万円の基礎控除を超えるため「贈与税の課税対象」となります。夫婦間であっても、資金が無償で移動すれば贈与税が課されるのが日本の税制です。
もし贈与税の申告をせず、夫の資金で妻名義のNISAを運用していた場合、将来夫が亡くなった時に税務署から「妻名義の新NISAは実質的に夫の財産(名義預金)である」と認定されます。妻口座の投資信託がすべて夫の相続税の課税対象に強制組み戻しされ、多額の追徴課税と過少申告加算税を突きつけられます。
では、妻が専業主婦やパートで収入が少ない場合、合法的に妻のNISA枠を活用するにはどうすればよいのでしょうか?税理士も太鼓判を押す正攻法のテクニックがあります。
夫婦で3,600万円を目指す場合、2人のポートフォリオ(銘柄選び)は揃えるべきでしょうか、分けるべきでしょうか?
結論として、「全世界株式(オルカン)やS&P500などの優良インデックス投信で夫婦同じ銘柄を愚直に買い続ける」のが最も合理的です。下手に夫がハイリスクなアクティブファンド、妻がディフェンシブな債券などと分ける必要はありません。
老後の取り崩し期(60歳〜65歳以降)においては、「夫婦それぞれの口座から年4%ずつ定率で取り崩す」のが黄金ルールです。どちらか片方の口座を一気に空にするのではなく、2人の非課税枠を温存しながら均等に取り崩すことで、運用益の複利効果を生涯にわたって最大化し続けることができます。
京都を拠点に不用品回収・遺品整理・空き家対策・生活インフラ支援を展開。現場の第一線で培った実務ノウハウと正確な法令・税制データに基づき、暮らしの不安を解消する実践的ガイドを発信しています。