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空き家・不動産

空き家の庭木が隣家に越境!民法改正で勝手に切られる?伐採費用とトラブル回避法

公開日: 2026年9月12日 監修: 株式会社ゼノベイト 専門調査チーム 読了目安: 約9分
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📑 目次(タップで各章へスクロール)
  1. 2023年4月施行!越境した枝を巡る「民法第233条」の大改正とは
  2. 切られた枝の費用は誰が払う?損害賠償請求と費用請求ルール
  3. 庭木伐採・草刈りの適正相場と安く抑える業者選定のコツ
  4. 特定空家に指定されると固定資産税6倍!行政指導の回避法
  5. よくある質問(FAQ)

2023年4月施行!越境した枝を巡る「民法第233条」の大改正とは

誰も住んでいない実家を放置している所有者にとって、今最も法的トラブルの引き金となっているのが「庭木の越境(隣家へのはみ出し)」です。台風の季節になると「枝が隣の屋根や電線に当たっている」「落ち葉が雨樋を詰まらせている」「毛虫が大量発生して洗濯物が干せない」といった苦情が役所や近隣住民から寄せられます。

これまでは、民法第233条の規定により「隣の土地から根っこが越境してきた場合は勝手に切って良いが、枝が越境した場合は所有者に切らせなければならない(勝手に切ると器物損壊罪になる)」という極めて理不尽なルールが存在していました。しかし、空き家放置問題の深刻化を受けて2023年4月1日より民法が抜本改正されました。

💡 新・民法第233条により「隣人が自ら枝を切断できる」3大要件
  • 催告後2週間放置:隣地の所有者に対し「越境した枝を切ってください」と相当の期間(通常2週間程度)を定めて催告したにもかかわらず、切除しないとき。
  • 所有者が不明・所在不明:登記簿などを調べても所有者が誰か分からない、または連絡先が一切不明なとき。
  • 急迫の事情があるとき:台風や地震で大木が折れかかり、隣家の屋根や車を直撃する危険があるなど緊急を要するとき。

切られた枝の費用は誰が払う?損害賠償請求と費用請求ルール

新民法のもとで隣人が枝を自ら切除した場合、その伐採・剪定費用は誰が負担するのでしょうか?法律上の原則は明確です。

民法第702条(事務管理による費用償還請求)に基づき、「かかった伐採費用・処分費用は、全額樹木の所有者(空き家所有者)に請求できる」とされています。つまり、放置していた所有者は、隣人が手配した造園業者や便利屋の高額な請求書(10万〜30万円等)をそのまま後から請求されることになります。

⚠️ 倒木による損害賠償事故の恐ろしい実例

もし強風で庭木が倒れ、隣の家の外壁や駐車中の高級車を破損させた場合、あるいは通行人に怪我をさせた場合、民法第717条(土地工作物責任)により、所有者に過失がなくても数百万〜数千万円の損害賠償責任が発生します。空き家であっても管理責任から逃れることはできません。

庭木伐採・草刈りの適正相場と安く抑える業者選定のコツ

クレームや損害賠償に発展する前に、自主的に伐採・剪定を行う場合の費用相場は以下の通りです。

作業内容樹木の高さ・規模1本あたりの費用相場
低木の剪定・伐採高さ 1m 〜 3m未満(手の届く範囲)3,000円 〜 5,000円
中木の伐採高さ 3m 〜 5m(2階の窓程度)10,000円 〜 20,000円
高木の伐採(大木)高さ 5m以上(屋根を超える巨木)25,000円 〜 50,000円 / 本
抜根作業(根っこごと掘り起こし)幹周り 30cm 〜 50cm15,000円 〜 35,000円 / 本
敷地全体の草刈り・草むしり敷地 30坪 〜 50坪20,000円 〜 40,000円

費用を安く抑えるポイントは、根っこを残して地上部だけを切る「伐採(地上部切り)」にとどめ、高額になりがちな「重機抜根」は解体時や売却時まで保留することです。また、切った枝葉の処分代(産廃運搬費)が別途かかるため、見積もり時に「処分代込み一式」であることを必ず書面で確認してください。

特定空家に指定されると固定資産税6倍!行政指導の回避法

庭木の放置は、近隣住民との民事トラブルにとどまりません。雑草が生い茂り庭木が道路へ越境している空き家は、市区町村から「管理不全空家」または「特定空家」に指定されます。

指定を受けて改善勧告が出されると、住宅用地特例(固定資産税の1/6減額措置)が強制解除され、土地の固定資産税が翌年から最大6倍に跳ね上がります。年1〜2回の定期的な草刈り・庭木伐採を業者に発注(年5万〜8万円程度)しておくことは、年間数十万円の増税を防ぐための最も賢明な防衛策と言えます。

よくある質問(FAQ)

Q. 隣の家の木がうちの庭に入り込んでいる場合、いきなり切ってもいいですか?
いいえ、いきなり切ることはできません。まずは内容証明郵便等で「2週間以内に切除してください」と書面で催告する必要があります。その期限を過ぎても対応されない場合に初めてご自身で切除できます。
Q. 伐採した枝や木を自分の庭で野焼きして燃やしてもいいですか?
絶対にやめてください。廃棄物処理法第16条の2により、一部の農業等を除き野焼きは原則禁止されており、5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金が科される重罪です。消防署や警察への通報リスクもあります。
Q. 遠方に住んでいて立ち会えない場合でも伐採作業を依頼できますか?
可能です。現在は作業前後の写真報告書をLINEやメールで送付してくれる全国対応の専門業者(伐採グループ等)が多数あります。鍵を預けずに外回りだけで作業完了できるため遠方所有者でも安心です。

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執筆・監修:株式会社ゼノベイト (Zennobate Inc.)

京都を拠点に不用品回収・遺品整理・空き家対策・生活インフラ支援を展開。現場の第一線で培った実務ノウハウと正確な法令・税制データに基づき、暮らしの不安を解消する実践的ガイドを発信しています。